変わろうと決意するだけで満足?

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人間の心理について非常に興味深い研究結果がトロント大学の心理学者ジャネット・ポリヴィとC・ピーター・ハーマンがから発表されています。

それは、マイナス気分(落ち込み・ストレス・不安・罪悪感)の時、ハッキリとした効果をすぐに実感できる方法についてです。

 

自分の行動を後悔した時に「変わろう!」と決意すれば、私たちは途端にホッとして自制心を取り戻すことができます。

「自分があんな失敗をしたなんて思わないようにしよう」「これまでとは違う自分になればいいんだ」と…。

 

変わろうと決意すると希望に満たされます。

新しい自分になれば人生が変わるだろうと、ワクワクしながら未来の自分を想像します。

いろいろな人が自分を見る目も変わるだろうと、期待に胸を膨らませます。

 

目標が大きいほど期待も大きくなるため、変わろうと決意する時は、分不相応ともいえる目標を立てたくなるのです。

ただ残念ですが、そのような変化を思い描いても期待した成果は得られず、一時的に気分が高揚するだけで以前よりも落ち込んでしまいます。

 

変わろうと決意することは、自分を瞬間的に満足させる効果があります。

しかしながら、変わろうと決意するだけでは、実際には何も変わりません。

 

決意しただけでは何の変化をもたらすこともできず、しばらくすると変わろうと決意した時の高揚感は消え失せて、不満と失望だらけになるのです。

期待通りにならなかったために、変わろうと決意する前の段階と同様かそれ以上に自信をなくしてしまいます。

そして、ドン底の気分を味わうと、再び「変わろう」と決意する…、この繰り返しです。

 

ジャネット・ポリヴィとC・ピーター・ハーマンは、この繰り返しを「偽りの希望症候群(The False Hope Syndrome)」と名付けました。

※偽りの”記憶”症候群(The False Memory Symdrome)というものもございますので誤認しないでくださいね。

 

もし、あなたが「変わろう」と決意することで、現状が変えられると思っているのであれば、それを実現することはできないでしょう。

一時的な気晴らしとしては効果的ですが、長期的に自分自身を変える方法としては不適切です。

人が変わるためには、別の方法が必要なのです。

 

人が変わるためには、行動を起こさなければなりません。

その行動を繰り返し、習慣化することで変えていくしかないのです。

 

名著『7つの習慣』にもこうあります。

【人格は繰り返す“行動”の総計である】

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