前回の記事で「表情や態度は感情をつくる」とお伝えしました。
では、それら表情の中で最強なのは何でしょう?
アメリカの経営コンサルタントであり、実業家・著述家のボブ・バーグは「笑顔」だと言います。
以下は彼の言葉です。
ちょっと想像してみてほしい。
これからあなたは、気難しい見込み客と商談を開始しなければならない。
あるいは、レシートがないのに無愛想な店員を相手に商品の交換を依頼しなければならない…そんな状況だ。
こんな時、相手が笑みを浮かべて協力してくれるなら、こんなに快適なことはないが、現実にはなかなかそうはいかない。
私たちは日常的にこういう難しい局面に遭遇し、ストレスを抱えながら毎日を送っている。
…いい方法がある。
短期的にも長期的にも、自分が望むような反応を相手にしてほしいのなら「相手がそうしてくれることを予想して行動する」といい。
つまり、自分が望んでいることを、相手が与えてくれるとを確信しながらアプローチするのだ。
バカバカしいと思うだろうか?
そう言う前に、次の事実を心に留めてほしい。
あなたが相手の協力を予想したからといって、相手が変わるわけではない。
それはあなたを変えるのだ。
そして、その姿勢が相手を変えるのである。
つまり、自分の心の中で相手の協力的な姿勢をあらかじめ想定することによって、あなたはそれにふさわしい態度をとるようになる。
そのようにあなたが変わることで、相手が態度を変えるように働きかけることができる。
なぜなら、相手の協力的な姿勢に対して、事前に感謝の気持ちを表せば、相手はそれに応じようとするからだ。
あなたが相手の問題解決能力に敬意を表すれば、相手は高い評価を与えてもらっていることを感じ取ってモチベーションをアップさせるのである。
同じ状況に対する次の2つのアプローチを比較し、その結果を考察してみよう。
あなたは問題解決のために役所に行って担当者に面会するように指示を受けた。
ところが、その人はとても厳格で、規則通りになんでも処理しようとするタイプらしい。
あなたは口論になることを予想して身構え、相手への嫌悪感を隠しつつも険しい表情で話し合いを始める。
しかし、もし相手の好意的な姿勢を予想しながら笑みを浮かべて丁寧にあいさつしたらどうなるだろうか。
どちらの態度が敵を味方に変えるのに役立つだろうか。
人を動かすという目的に合致するのはどちらだろうか。
後者であることは言うまでもない。
このやり方は事実上全ての状況で、ほとんどの人に驚異的な成果をもたらす。
そんなことはあり得ないと決めつける前に、何度か真剣に練習してみよう。
気難しい人との接し方が変わって驚くほど成果が上がるに違いない。
さらに、自分の態度がずっと建設的になり、ストレスが激減することに感動するだろう。
これは間違いなく人を動かす最強の方法の1つである。
習慣になるまで何度も練習するといい。
相手に対してポジティブな予想をすることは、生涯を通じて大きな恩恵をもたらす習慣である。
あなたはいつもその素晴らしい高揚を目の当たりにし、つねに驚異の念を抱くことになる。
さて、この方法を使って相手の協力的な姿勢を引き出す際に、あなたは笑顔の重要性に気付いたかもしれない。
笑顔で全てが解決するわけではないが、人間関係を構築したり対立を解消したりするうえで、心のこもった温かみのある笑顔ほど大きな力を発揮するものはたぶんない。
だから、取引の前に相手に微笑みかけよう。そうすれば、大変好意的な雰囲気を作ることができる。
笑顔で解決できることは驚くほど多い
仕事であれプライベートであれ、人間関係の試練の大半は、笑顔と相手への気遣いで大抵、平和に解決するものだ。
ほとんどの人がそれを実行していないという現実は、あなたが容易にその他大勢から抜け出せることを意味している。
なんらかの問題が起きて相手の上司と話をしなければならない時、あなたの笑顔は相手の抵抗を和らげ、双方が得をする話し合いにつながって好結果をもたらす。
なぜなら、大多数の人は、そういう状況で怒りながら相手を威嚇するような目で睨みつけるが、あなたは包み込むような優しい笑顔で相手を迎え入れるからだ。
実際、ダニエル・ゴールマンは『EQ こころの知能指数』の中でこう言っている。
「ほほえみは全てのシグナルの中で最も影響力が強く、相手がほほえみを返したく成るように働きかける強い力を持っている」
まったくそのとおりだ。対人関係に関するどんな良書を読んでも、ほほえみが持つ力について少なくとも一節は必ず言及していることがわかる。
実際、たとえば、デール・カーネギーは『人を動かす』の中で、心のこもったほほえみの力が持つ大きな影響力について、まるまる1章を割いているほどだ。
幸い、上手にほほえむ方法を学ぶことはとても簡単である。
しかし、どうしてもできないなら、思わず嬉しくなるようなことを想像するといい。
何度か練習すれば、自然に笑みを浮かべることができるようになる。
特に理由がないのに笑みを浮かべる人はごくわずかしかいない。
しかし、あなたはそうであってはいけない。
誰かと話をする際には、笑みを浮かべる習慣を身につけよう。
上司、配偶者、子ども、役人、給仕係、販売員など、全ての人に対してそれを心がけるといい。
相手はあなたに好意を抱いてほほえみを返してくれるはずだ。次のことを覚えておこう。
「笑顔はポジティブな環境をつくる究極のツールである」
いつもこのシンプルな行動を実践すれば、驚異的な成果を上げることができるだろう。
どの人からも特別扱いされて喜びを感じるに違いない。
誰からも手厚くもてなしてもらえるのは、誰もがあなたの笑顔によって好影響をうけるからだ。
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