中国における出産育児の慣習

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本日、娘が無事に生後100日を迎えました。

 

日本なら「お食い初め」のお祝いですが、中国では「百歳(バイスイ)」と呼ばれるお祝いをします。

親戚や親しい友人を招いて食事を振る舞うのが一般的です。

 

(以前の)中国では生まれてから100日間は赤ちゃんを家の外へ出さないという慣習があり、この「百歳」がお披露目の場となることから、家庭にとっての一大イベントになります。

ホテルやレストランで開催する家庭も少なくない(私も過去に何度か招待されています)ものの、我が家の場合はごく近しい親戚を招いて質素な食事会をしました。

 

日本にも中国にも出産・育児にまつわる習慣はたくさんありますが、今回は中国の慣習をいくつかご紹介しましょう。

 

まず代表的なのが、「坐月子(ズオユエズ)」と言われるものです。

出産後の女性は1ヶ月間安静にしているべきとされ、外気にあたらないよう家の中で生活します。

家の中でも水に触れてはいけないと、家事はおろかシャワーを浴びることも禁じられます。

(水ではなくお湯などを飲むことは問題ありません)

日本でも産後の肥立ちといって数週間(一般的には6〜8週間)安静にする習慣はありますが、その厳格さは比較の対象とするのが憚られるほどです(笑)。

 

また、中国では赤ちゃんの生まれた家庭が、親類や友人へ「喜蛋(シーダン)」という茹で卵を配る習慣もあります。

二つずつ配る場合もあれば、袋(専用の袋が売っています)に入れて六〜十数個を配る場合もあります。

ちなみに我が家は、六個〜八個ずつお配りしました。

 

その我が家ですが…。

中国人の妻は出産翌日に自ら希望して退院(普通は一週間前後入院します)。

しかも、生まれたばかりの子供を抱え、病院に持ち込んだ荷物の入ったトランクを引いて、一人(娘を含めれば二人)で自宅に戻ってきました。

こんな調子ですから「坐月子」は意識するものの、それとは程遠い生活でした。

 

さらに、妹が生まれてしばらく自宅待機を余儀なくされた上の子が、乳離れをしていないにも関わらず出掛けたいと言うので、一ヶ月に満たない娘を連れて外に出ました。

移動する時は道行く人の非難の視線(視線だけでなく多くの見知らぬ方から様々なご指導もいただきました/笑)を浴びながらも、”我が家は我が家”で慣習にとらわれず行動してきています。

 

とは言え、その地に根ざした慣習にはそれなりの根拠がある場合がほとんどです。

「坐月子」も母親の身体(出産直後もさることながら将来の健康)をいたわるために有効な慣習なのでしょう。

そのような慣習を意識・理解した上で、それにとらわれ過ぎることのない生き方をしていきたいですね。

 

 

※文中の『中国』は、我々が生活しており、妻の実家でもある山東省青島(チンタオ)を意味しています。

青島でも地域や家庭により、その慣習は異なる点があることをご理解ください。

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