ハーバード教授が解明! 「瞑想」に本当に意味はあるか? 1/2

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久しぶりの投稿です。
突然投稿を再開しようと思ったのは、非常に興味深い記事を見つけたからです。
以前(2017年8月)に投稿した「冥想」について、『ハーバード医学教授が教える健康の正解』で取り上げられているそうです。
この本は、ハーバードメディカルスクールの教授であり医師としても活躍するサンジブ・チョプラ(Sanjiv Chopra)氏が、信頼性の高い膨大な研究の網羅的な分析によって明らかになったことを集め、「これだけは間違いなく『いい』と断言できる」という食物・習慣を抽出したものです。
その一部を翻訳家の櫻井祐子(さくらい・ゆうこ)さんが記事で公開してくださっていますので、2回に分けて紹介します。

 

↓ ここから ↓

 

「瞑想」をすると何かが得られる?

あるとき誰かが賢人に尋ねた。

「あなたは瞑想で何を得ましたか?」

賢人は頭をふって答えた。

「いや、何も」

それからこういった。

「でも、失ったものはありますよ。怒り、不安、落ち込み、自信のなさ、老いと死へのおそれです」

歴史を通じて、人はさまざまなかたちの瞑想を数千年にわたり行ってきたが、その効果が科学的に解明されるようになったのは、ごく最近のことだ。

これまで挙げられてきた効果は、気分がよくなる、健康になる、しあわせな気分になる、などのほか、潜在意識と顕在意識のあいだにある霊妙な場所を垣間見る、永遠の命を得るなど、じつにさまざまだ。

それは「科学」とは相いれないのか?

そうした効果が実際にあるのか、想像上のものなのかを調べる研究は、最近になってようやく本格的に始まった。

またより重要なこととして、これまでもっぱら主観的な経験と見なされてきたことに、客観的な生理学的、神経学的説明が与えられようとしている。

いや、私に聞いてくれてもよかったのに!

妻のアミタは、インドのとてもスピリチュアルな家庭で育った。

エンジニアだった義父は、毎日早朝から鹿革の敷物の上で蓮華座を組み、瞑想をしていたという。

インドでは瞑想は日常的に行われていて、呼吸を長時間止められる導師たちの妙技が語り継がれている。

アミタは高次の意識とつながる呼吸法を、子どものとき独学でマスターしたそうだ。

幼いころの私は、スピリチュアルの世界にはあまり関心がなかった。

父はインドの有名な医師で、兄のディーパックと私は、科学的に実証された西洋医学の技法を信頼するよう教えられて育った。

医学を学ぶために兄弟でアメリカに渡ってから、ディーパックは伝統的な超越瞑想に関心をもつようになった。

だが当時の私には、お手軽な悟りブームにしか思えなかった。

大多数のアメリカ人と同様、そういうものとは関わり合いになりたくなかったし、もうインドで卒業したと思っていた。

瞑想と聞くと、黄衣をまとって賛歌を唱えながら練り歩く人が連想された。

それでも、アミタに瞑想を学んでみたいといわれたとき、驚きはしなかった。

妻が瞑想を始めてからひと月ほど経つと、はっきりした変化が感じられた。

穏やかなオーラをまとっているように見えた。

いっそう美しくなり、自信にあふれ、満ち足りているようだった。

妻はとくに私に瞑想を勧めるでもなかったが、正直興味をそそられた。

 

↑ 次回に続く ↑ (本原稿は書籍『ハーバード医学教授が教える健康の正解』からの抜粋です。続きは本書でお楽しみください)

 

サンジブ・チョプラ(Sanjiv Chopra)
ハーバードメディカルスクール(ハーバード大学医学部)教授。医師。米国内科学会最高栄誉会員(MACP)。ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(ハーバードメディカルスクール附属病院)肝臓科上級医長。毎年150か国8万人の医師を教える、世界で最も学術的に優れた医師生涯教育プログラムである、ハーバードメディカルスクール生涯教育部門の部長を12年間務める。医療現場での臨床判断のツールとして世界60万人以上の医師によって利用されているインターネット上の電子教科書「UpToDate」の肝臓病セクションの編集責任者も務める。ハーバードメディカルスクール優秀教育者賞、ロバート・S・ストーン賞(ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターで医師、スタッフ、学生により選出)、米国消化器病学会優秀教育者賞、エリス島名誉勲章など多数の賞を受賞している。

 

デビッド・フィッシャー(David Fisher)
著述家。15冊以上のニューヨークタイムズベストセラーの著書を持つ。

 

櫻井祐子(さくらい・ゆうこ):訳者
翻訳家。京都大学経済学部卒、オックスフォード大学大学院で経営学修士号を取得。訳書に『CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見』『選択の科学』(ともに文藝春秋)、『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』(日本経済新聞出版社)、『イノベーション・オブ・ライフ』(翔泳社)、『第五の権力』『0ベース思考』『SPRINT最速仕事術』(いずれもダイヤモンド社)など。

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