人の呪い、でもそれは祝福でもある

Pocket

本日は天皇誕生日ですね。

私も半月前の12月8日に誕生日を迎えました。

 

当日は中国に滞在していましたが、単身出張中の私を祝うように、昼は在青島日本国総領事館による祝賀レセプションがあり、韓国やタイの領事館から花も届いていました。

(実は海外公館が主催する天皇誕生日祝賀レセプションに参加させていただいただけです/笑)

 

おかげで、当日は昼から楽しく過ごすことができましたが、その日の午前中までは複雑な心境でした。

なぜなら、私の誕生日の数日前に、憧れていた先輩が亡くなられたからです。

私が非常にお世話になっている方の親戚で、お祭りが大好きな方でした。

お祭りのために転職するほどの方でした。

でも、好きなことをやるために、他のやるべきことはキッチリやる、という方でもあったので、その生き様に憧れていたのです。

 

先週、山・鉾・屋台行事がユネスコ無形文化遺産(世界遺産)に登録されたというニュースを耳にした際、真っ先に脳裏をよぎったのはその方のこと、目に浮かんだのはその方の笑顔です。

お祝いの連絡をしようと思ったものの、バタバタしているうちに機を逃してしまいました。

年賀状にお祝いのコメントを入れておけばいいかと軽く考えていたら、突然の訃報です。

 

後悔しました。

普段は「反省しても後悔するな」と口にしている私ですが、猛烈に後悔しました。

やりたいこと・やるべきことは、やろうと思った時にやらなければいけません。

 

本来であれば、通夜・告別式に駆けつけるべきところですが、仕事の都合でそれも叶わず…。

 

落ち込んで誕生日レセプションを待っている午前中、インターネットのニュースを見ると、中国で「君の名は。」が大ヒットという記事を目にしました。

記事の下に関連項目で『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』『言の葉の庭』という作品が紹介されていました。

 

あれっ? この作品名、どこかで見たことあるぞ…。

 

ハッと気づいたのは、中国のインターネットTVの作品一覧。

慌てて探してみると、ありました、ありました。

 

時間もあったので、長編の『星を追う子ども』を観始めます。

(『秒速5センチメートル』は過去に観たことがあります)

 

あらすじなんか知らずに選んだのですが、死んだ人に会うことがテーマの一つになっているアニメ映画でした。

今この心境の時にこういうテーマの映画か…と思いながら観ていくと最後に涙腺崩壊。

 

登場人物A「“喪失を抱えてなお生きろ”という声が聞こえた。 お前にも聞こえたはずだ。 それが人に与えられた呪いだ。」

登場人物B「……。」

登場人物C「でも、きっとそれは祝福でもあるんだと思う。」

 

もちろん、この会話だけで全ては分からないと思いますが、その時の私の胸にグサリ!

 

憧れていた人を亡くして間もない自分の誕生日にこの映画を観たことに、不思議な運命を感じました。

きっと、あの人がそうなるように促してくれたんだと思います。

お蔭で晴れ晴れとした気持ちで、昼から過ごすことができました。

 

“喪失を抱えてなお生きろ”

 

今年は正月から祖母の葬儀で始まり、初夏には少年時代にお世話になった野球のコーチもお亡くなりになるなど、大きな喪失のあった一年でしたが、その年の誕生日に喪失に関わる大きな気づきを得られました。

この気づきを大切に、新たな一年を過ごしていきたいと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る