前回の記事で”叱る”と”怒る”について取り上げたところ、次のような区別の仕方があるご紹介いただきました。
叱る:相手のことを考えたときに出る行動 = 手段
怒る:自分の思い通りにならないときに出る感情 = 結果
なるほど、行動と感情、手段と結果、という考え方は興味深いですね。
その他にも多くの参考記事をいただきましたので、今回も叱り方について紹介しますが、まずは、やってはいけない怒り方について紹介いたしましょう。(雑誌Tarzanより)
間違い1.大げさに騒ぎ立てる
間違い2.頭から否定する
間違い3.気分で怒る
間違い4.人格攻撃
間違い5.皮肉を言う
間違い6.別の問題を引っ張り出す
間違い7.決めつける
間違い8.脅す
喜怒哀楽と表現されるように、怒りは人間の基本的な感情の一つでしょう。
「怒りは肉体的、精神的な侵害に対する警告反応。迫ってくる危険に対して闘争、または闘争するために必要なもので、なくてはいけない感情です。」と言うご意見もあるくらいです。
ただ、やはりコントロールは必要ですね。
怒るのではなく叱るために、どのようなことを意識すればいいのでしょうか?
元スターバックスCEOの岩田松雄さんは、部下を叱る時に自尊心を傷付けない叱り方をするよう気をつけ、「あなたらしくない」というニュアンスで話をするようにしていたそうです。
また、やっかいな問題の時には「あなたでさえ」というニュアンスで叱るとも。
あなたでさえできなかったんだね、よほど大変な問題だったんだろうね…という言い方で話を聴いていくのだと。
ANA客室センターの烏田智子氏は、「どんな状況であれ、絶対に頭ごなしに叱ることはしません。後輩が悪いことが99%わかっていても、必ず事情を聞き、あとから戦略的に叱る」と言います。
たとえば後輩が遅刻をした場合。1回目は「次は気をつけてね」で終わらせます。でも2回続いたら、必ず1対1で事情を聴くと言います。なぜなら、2回続くことのウラには、何か事情が潜んでいることが多いからだそうです。
2回遅刻が続いたことに対して『だらしがない』とレッテルを貼ることは簡単で、上司や先輩にとっては時間の短縮になるかもしれません。
でも、よくよく聞いてみると「不規則な生活に慣れず、夜眠れない」とか「両親の介護で疲れがたまっている」とか、やむをえない事情があきらかになる可能性だってあるわけです。
また、あとで事情を聞く場合は時間があるので、しっかり準備して戦略的に叱ることもできます。
ただし、「その場で」叱るわけではないため、叱るときに相手に自覚がない可能性があります。
先の烏田氏によれば、あとで時間を取って叱る時のポイントは、次の3つだそうです。
ポイント①:叱る根拠を準備する
叱るべき行為についての事実を正確に記録しておき、相手に提示します。いつ(日付)、どこで(場所)、どのようなことをしたか。それの何がダメだったのか、どのルールに反しているのかを指摘します。
ポイント②:レッテルを貼らない
「あなたが悪い」という結論ありきで話を進めないこと。あくまで事実ベースで冷静に。
こちらの情報と相手の言い分とが異なる場合は、事実確認をもう一度することを伝えて、いったん打ち切ることも必要です。
ポイント③:個室で話す
前回紹介した”効果的に「叱る」ために重要なことを3つ”と、共通する点やフォローしてくれている点がありますね。
繰り返しになりますが、今回ご紹介した叱り方は社会人用のものなので、子育ての際には流用しづらい部分もあるかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。
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